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テクニカルアドバイス

クラッチ交換について

まず、はじめに・・・

一言でクラッチといっても、純正も有ればツインプレート(※1)やトリプルプレートまでメーカー、仕様も含めると何度も買っていい物を探すなどというレベルではたどり着けない種類が販売されています。2〜3年前までは「友人から聞いた」「雑誌に載っていた」などでも選んで付けることが可能だったと思います。

最近のクラッチは各メーカーとも今までのメタルクラッチに加え、それぞれカーボン製のディスクを採用した物を追加して販売しています。これで単純に二倍のアイテム数になり、スーパーシングルという今までツインプレートだった物を1枚のディスクにして価格を抑えた物も販売されていますから、少し前のアイテム数からしたら、5〜10倍位は世の中にでていることになります。

もう一つ、クラッチにはペダルストロークと、遊びの調整が必要になります。余り知られていないことですが、この調整で操作性と耐久性の向上を測っています。今はほとんどの車が油圧式でクラッチペダルからクラッチまでの伝達を行っています。この油圧式経路の作動不良も操作性と耐久性に大きく関わっているのですが、ユーザー自身は、日々劣化していくクラッチや油圧経路に慣れてしまいがちで、いつの間にかクラッチ本体の摩耗限度につながっていたりします。

いろいろな要素をふまえて、クラッチ選びはよく相談し、交換後のメンテナンスを理解して、いい状態を維持しなければいけません。

クラッチの基礎構造

クラッチの構成は

  1. クラッチカバー
  2. プレッシャープレート(純正以外のみ)
  3. クラッチディスク
  4. センタープレート(純正以外、ツイン以上)
  5. レリーズベアリング
  6. フライホイール

から組み合わされています。純正ですとすべてのパーツが車種専用で、汎用的な要素を持っていないのが現状です。みなさんがチューニングパーツとして購入している物は、(1)〜(4)のパーツは汎用品を製作し、車種別にの(6)フライホイールを製作して車種別商品にしています。(5)のベアリングも純正ですが、日産車の物を流用できるようにしている場合が多く(径が小さいため踏力を軽くできる)汎用的に考えられています。

ただ、メーカーによっては、(1)と(3)のパーツには仕様に合わせて選べる様に互換性を持たせた強化タイプも設定されている場合があります。

油圧経路

油圧経路は、クラッチから先に クラッチマスターシリンダー(※5)→クラッチライン(※6)→クラッチレリーズシリンダー(※7) という構成になっています。使用されている作動油は、一般的なブレーキオイルです。 純正クラッチは、作動方式でブッシュ式(※3)、ブル式(※4)と分かれていますが、油圧経路の構造は同じです。
 



その1

BORDERでのクラッチ交換はペダル調整などを含めトータル的に行います

油圧経路の劣化なども、調整作業を通して、速く発見出来ますし、操作性についての追求を常に行っています。交換後200kmを慣らし運転と薦めていますが、200km前後のペダルストローク調整は、取付作業の延長と考えていますので無料です。この調整作業時に、調整が必要な場合は、調整作業の重要性がおわかりいただける場合があります。

 

その2

BORDERではクラッチ交換後、慣らし運転をお願いしています。

簡単なマニュアルをお渡ししていますので、ペダルの遊び、日頃のメンテナンスなどについて、最低知っておいた方がいい事を慣らし運転の間を通してお伝えしています。

 

※1.ツインプレート
(3)のディスクの数が2枚の物をツインプレート、3枚の物をトリプルプレートと呼んでいます。
※2.作動変更パーツ
純正クラッチがブル式の場合、このパーツを取り付けしブッシュ式に変更して取り付けします。
※3.ブッシュ式
ペダルを踏んで発生した油圧が、クラッチカバーを押す方向でクラッチが切れる構造の物。
※4.ブル式
ペダルを踏んで発生した油圧が、クラッチカバーを引っ張る方向でクラッチが切れる構造の物。
※5.クラッチマスターシリンダー
純正品です。エンジンルームのブレーキマスターシリンダーの横にあり、ブレーキに比べるとシリンダーストロークが多いため、オイルが汚れている場合が多いです。
※6.クラッチライン
純正品はゴムホースで出来ています。あまりクラッチカバーの強力な物を装着すると、ゴムホース部がさけることがあります。一般的にはステンメッシュの強化品が販売されています。
※7.レリーズシリンダー
ミッションに取付されていて、レバーを介してクラッチを作動させています。

 

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